今月も読書鑑感想文です。(笑)
これは五体不満足で有名な乙武 洋匡さんの小説です。
出生時に脳性麻痺になり、車椅子生活を送っている主人公が
上京し就職先を探していたのですが、あるきっかけで「車椅子ホスト」になったお話しです。
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「車椅子なのに」、「障害者なのに」という周りの目に立ち向かいながら
歌舞伎町でホストとして働くことになるのですが、
なにもかも初めての環境であり思うように働くことが出来ません。
それでも同僚の存在や出会ったスナックのママ、ある女性との出会いを通し
人のやさしさに触れながら成長していきます。
しかし、いつまでたってもお客さんがつくことはありません。
「車椅子」、「障害者」という周囲からの壁を感じている主人公ですが、
そのようなレッテルを貼っているのは周囲の人々ではなく、
自分自身なのだと気づかされます。
自身でも「車椅子のホストに積極されたくないよね・・・」などと
無意識のうちに「車椅子」や「障害」を理由にしてしまっていたのです。
「車椅子の自分」、「障害者の自分」ではなく「自分自身」が大切なのだと気づいた主人公は
ホストを辞め、新しい人生を歩んでいきます。
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誰もが周りの目を気にしてしまったり、自分自身にレッテルを貼ってしまい
思うように行動することが出来なくなっていると思います。
車椅子ホストという主人公の目線から、自分自身の大切さに気づかさせてくれる本でした。
この本を買ったきっかけは、現在乙武さんがチャレンジしている、
「義足プロジェクト」のクラウドファンディングでした。
そちらも壮大なチャレンジですので、気になった方はぜひ検索してみてください!
理学療法士 原 早希